YAMAHA n8とn12を2台同時につないでみた
いつの間にかディスコンになっていたが、その圧倒的な高音質により今なおファンが多い(と信じ込んでいる)YAMAHAのデジタルミキサー、nシリーズ。このミキサー、実は複数台同時に繋いで使用できることをご存じだろうか?
あまりにマニアックすぎてネット上の情報ですら皆無に近いこのシチュエーションを、人柱代表としてやってみたから備忘録がてら書き残しておくだわよ!!
さて、n12を持っているにもかかわらず、中古で安く出ていたn8を追加購入してしまったのにはいくつかの思惑があってのことでした。
- 満を持して購入したUR44がハイファイなのにノイジーなので、歌録りには絶大な信頼のおけるnシリーズを使いたい
- 我が家のインプット数がn12だけでは足らないので増やしたい
- ミックスバッファを6ステレオから10ステレオに拡張したい
- 部屋のレイアウト上、スピーカーをミキサーと離して置かなければならないので、n8をサブミキサーとして使いたい
- ただ単にディジーチェーン接続して複数台のnシリーズが動いているところを見てみたい
などなど。人柱の鑑のような理由も散見されますが、「目的」より「手段」を大切にした結果、人生をなんとか転がすことができている経験上、知的好奇心を満たすことは必ずしも無駄では無いのです。などと自分に言い訳しつつ…
やってみた!!
こんな感じで接続していて、レコーディングの時だけn8を取り外して持っていく・・・というスタイルを画策しているわけです。車で移動するので、重さはあまり気にしなくていいのでFWとスピーカーと電源だけ外せばいい、というのは割と手軽かな、と。
さらに、n8だけ起動しておけばソフトシンセ中心の制作なら、他のシンセたちを起動しなくていいのでエコです。ディストリビューターをONにすると、全部立ち上がってくるのをいちいちOFFにしていくのも面倒&機械にダメージがありそうなので・・・。
さて、この男の夢のような状況ですが、紆余曲折を経て結果的にやりたいことの70%が叶いました。
できたこと
- 同時に使えるインプットが増えた(つなげてないけど)
- n8を取り外して持ち歩けるようにできた
- ディジーチェーンでちゃんと動いた(笑)
できなかったこと
- ミックスバッファを6ステレオから10ステレオに拡張できなかった
= n12とn8でステレオバスの共有ができない
どういうことかというと、n8で鳴らした音はn8のステレオバスから、n12で鳴らした音はn12のステレオバスからしか出力されないので、6ステレオ+4ステレオをハードウェアベースで内部ミックスすることができない(ミックスバッファ的な使い方ができない)のです。
言い換えると、CUBASEから見えている10のステレオアウトを、1つのマスターインプットに流し込んで2mixを仕上げることができないのです。
要するに、n12の6ステレオを混ぜたやつとn8の4ステレオを混ぜたやつををそれぞれ作っておいて、それを最後にまた混ぜる、という手順を踏めば、そういうこともできなくないのですが・・・めんどくせー!!!
たぶんnシリーズのディジーチェーンは、同時インプット数を増やすためのもので、単純にミキサーのチャンネルを増やすというところまではいかないんですね。図の場合だとn12のC/R Outをn8の2TR INにぶっこむことで、一応同時10ステレオのモニターは可能ですが、n12の6つのステレオバスのデータがn8の中にデジタルで流れ込んでくるわけではないので、その接続のままリアルタイムトラックダウンをしても、全チャンネルを混ぜてくれるわけではないのです。10ステレオのミックスバッファ構築という野望は、無残にも潰えたのでした・・・。
これとは別件の話になりますが、最初、MacのiTunesの音がなぜかn12のほうから流れてきて、設定で変えようとしてもそういう場所が見当たりませんでした。しかし、Tools for nの説明書をよく読んだところ「デバイスナンバーのリセットを行うと認識される順番を変えることができる」と書いてあり、これが関係しているのかと思って実験。我が家はn12が最初にあって、後からn8を足していたので、ディジーチェーンの前後にかかわらずn12のほうが1番目として認識、n8のほうが2番目として認識されていたみたいです。で、iTunesやシステム音などの出力をOSXのシステム環境設定→サウンドで「YAMAHA FW Driver」に指定したとき、1番目に認識しているほうのnシリーズのDAWバスから発音する決まりになっていたようで。システム環境設定ウィンドウの「Yamaha Steinberg FW」の「General」タブからデバイスナンバーをリセットし、無事n8を1番目として認識させ、モニタースピーカーからiTunesなどの音がでるようになりましたとさ。
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