機材レビュー … YAMAHA n12/n8

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最終更新日 2007年9月17日

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●ようやく本題突入!!

きなりですが(またかよ)、細かいことは後で書くとして、結論から書いちゃいます。今、僕はMO☆U☆RE☆Zに感動しています…!!!!!ミックスバッファとしての活躍を期待して買ったんですが、イヤー、正直ミックスバッファなんてアナログの普通に「使える」って言われているヤツを買うと数十万する代物だし、そもそもn12は見た目はアナログでも中身は120%デジタルミキサーだし、ここまで変わるなんて思ってませんでした。

劇的に音がクリアになりました\(^o^)/

n12は 16 IN / 16 OUT ですが、今回の使い方で焦点となるのは 16 OUT の部分。この16のうち、2チャンネルはモニター専用、2チャンネルはAUX専用のバスになるので、実質ミキシングとして使えるのは 2ch(n12の名前の由来ですね)です。この12chをすべてステレオペアとして扱って、ある曲を簡単にミックスし直してみました。

50トラックくらいある音を、それぞれ「ドラム専用」「ベース専用」「パッド専用」「SE専用」「声専用」「その他適当」に分けて流し込みました。で、ドラムにだけ内蔵のコンプ(コレがまた効くんだわ…)をかましただけです。つまり、バランスなどはほとんど変えず、CUBASE4オンリーでミックスしていたものを細かくわけでn12を通しただけ。たったこれだけで、いろんな音が前に出て聞こえるようになりました。いやー喜びのあまり、夜中なのに奇声を発しましたよ。イヤーッハァーーー!!

●ミックスバッファとしての性能を試してみる(脱・PC内部完結)

のn12を実際にミックスバッファとしてのみ使った場合、どの程度の効果があるのか?以前DS2416を使ってミックスしていた時の記憶が古くなるにつれて美化され、ひょっとしたら「n12を導入したら音が良くなった!」というのは単なる思いこみなのではないか?そんな疑問を払拭すべく、実際に鈴木7才の曲を使って効果を比較してみました。

実験の概要は次の通り。鈴木7才の名曲(?)、「企業戦士ハンバインXXX」の一部を使って、それぞれ

(A)全てのトラックをファイルメニューから書き出した(オフラインミックスした)場合
(B)全てのトラックを1つのステレオバスにまとめて実時間でミックスダウンした場合
(C)複数のステレオバスを使ってステムミックスを作成し、それらをn12でミックスダウンした場合

に分けて3種類のwavファイルを書き出してみました。書き出しまでの流れは次の通り。

  • n12のEQとコンプは全部OFFにする
  • n12の1〜12チャンネルのほとんどをステレオペアとして使用する
    ただし、3chはベースがモノラルのため、パンをセンターにして使用する
  • n12のフェーダーはすべて0dBにセットする
  • (B)(C)のミックスダウンは、n12のRECバス経由でおこなう
  • パンLawは当初-3dBに設定されていたので、これを引き継ぎ、(A)(B)の場合において影響のあるBassのトラックをフェーダーで3dB上げてからミックスダウンする
    (このようにしないと、(A)(B)においてベースだけ3dB小さくなって書き出されてしまいました)
  • (B)(C)の場合において、プロジェクトの設定通り32bitでミックスダウンし、その後UV22を使って16bitにディザリングして書き出し
    (A)は最初からUV22を使って16bitにディザリングして書き出し
  • 書き出し後、Sound Forge(波形編集ソフト)で比較部分を抜き出してフェード処理

要するにハンバインのボーカルやらベースやらドラムやらシンセやらの複数チャンネルを、n12の12チャンネルにバラして出力し、n12の力を借りてミックスした時と、CUBASEオンリーでミックスした場合に、純粋にn12のおかげで音質がアップするかということを公平にチェックするために色々設定したということです。元々ある曲でやったため、色々といじらないとちゃんと比較できないのです。。。本来なら比較しやすいような曲データを作成したうえで比較すれば良かったのですが、この比較のためだけにフレーズを作るのはもっと面倒だったので、横着しちゃいました。

n12がミックスバッファとして機能する(というより、CUBASE内のミキサーよりも高性能である)ならば、(C)の場合だけ音が良くなることが期待できます。で、実際に書き出してみた結果、

ほぼ期待通りでした(^o^)

実際の音源ファイルは下記からダウンロードできます。それぞれ16bit 44.1kHzのWAVファイルです。あえてMP3にしていないため、2MBちょっとあるので気をつけてください。

(A)オフラインミックスした場合
(B)1つのステレオバスにまとめて実時間でミックスダウンした場合
(C)複数のステレオバスを使ってn12でミックスダウンした場合

(A)(B)はほとんど同じ結果でした。ていうかこの2つの音が大きく変わるようなら問題ですね(汗)。少なくとも鈴木の耳では、判別できませんでした。これが、n12導入前までの、いわゆる「PC内部完結」ミックスです。そして(C)。あきらかにドラムのヌケが違う(笑)他のパートも、(A)(B)と比較してはっきり聞こえてきます。エフェクトの設定やバランスは何も変えていないので、単純にn12でミックスしただけでこれだけの差が得られるということです。それに加えて、本体のコンプレッサーやEQがかなり良い感じにかかる(EQは良い意味で控えめにかかる)ので、今までより手軽に高音質なミックスができるようになりました。

実験方法に多少怪しい部分もありますが(特にパンLawの設定の影響の出方がイマイチ微妙…)、たとえドラムの音量を上げて(C)のように聞こえるようにしても、音が飽和して(?)全体に悪影響を与えるような感じになったので、n12がミックスの高音質化に一役買っているのは間違い無いと思われます。

結論:無理しても 買って良かった n12 (まさかの5・7・5)

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